RRF(Reciprocal Rank Fusion)は、決して新しい技術ではありません。2009年から存在しており、情報検索の分野では広く利用されてきた手法です。

この記事の結論
01

Reciprocal Rank Fusion(RRF)とは?

RRF(Reciprocal Rank Fusion)は、決して新しい技術ではありません。2009年から存在しており、情報検索の分野では広く利用されてきた手法です。簡単に言えば、複数の検索クエリから得られたランキングを統合し、最終的な順位を決定するための方法です。

システムが複数のクエリを実行し、同じページがそれぞれ異なる順位で表示された場合、それらのスコアがすべて加算されます。計算式は非常にシンプルです。

たとえば、次のようになります。

順位
スコア計算
1位
1 /(60 + 1)= 0.0164
5位
1 /(60 + 5)= 0.0154
10位
1 /(60 + 10)= 0.0143
02

なぜLLMは1つの質問に対して複数回検索するのか?

意外と知られていないのですが、ChatGPTやPerplexity、GoogleのAIモードに質問した際、これらのシステムが実行しているのは、単純な「1回の検索」ではありません。複数の異なる検索クエリを生成して検索を行い、その結果を総合して回答を生成しています。

たとえば、「コーヒーメーカー」について質問した場合、AIは次のような関連クエリを検索する可能性があります。

  • 「コーヒーメーカー」
  • 「おすすめ コーヒーメーカー」
  • 「コーヒーメーカー 選び方」
  • 「家庭用 コーヒーメーカー レビュー」など

Googleの最新AIモードでも、基本的にはこれと同じように、複数の検索結果を組み合わせるアプローチが採用されています。RRFは、こうした複数の検索結果を1つのランキングに統合するための数学的な手法です。これが、AI検索の結果が従来のGoogle検索における単一の検索結果とは異なって見える理由の一つでもあります。

03

ChatGPTは検索結果をどのように処理しているのか

ChatGPTの検索実装を調べていたところ、次のような興味深いコードを確認しました。

chatgpt_search_config.py
rrf_alpha: 1,
rrf_input_threshold: 0,
ranking_model: null

このコードからは、ChatGPTが複数の検索結果を統合する際に、標準的なRRFを利用していることが読み取れます。特に興味深いのは、この仕組みによって、複数のクエリバリエーションで安定して上位表示されることの重要性が見えてくる点です。

04

ページA・Bで比較するRRFスコアの違い

ページA:単一キーワードに集中したページ

クエリ
順位
スコア
「コーヒーメーカー」
1位
0.0164
「おすすめ コーヒーメーカー」
15位
0.0133
「コーヒーマシン」
圏外
0
「コーヒーメーカー レビュー」
25位
0.0118

RRF合計スコア:0.0415

ページB:トピッククラスター型のページ

クエリ
順位
スコア
「コーヒーメーカー」
4位
0.0156
「おすすめ コーヒーメーカー」
5位
0.0154
「コーヒーマシン」
6位
0.0152
「コーヒーメーカー レビュー」
4位
0.0156
「家庭用 コーヒーメーカー」
7位
0.0149

RRF合計スコア:0.0767

ページBは、より幅広い関連テーマをカバーしているため、ページAの約1.8倍のスコアを獲得しています。これが、トピッククラスターが非常に強力である理由です。

05

トピッククラスターが効果的な理由をRRFの視点から考える

ChatGPTにおけるRRFの実装を見ることで、AI検索がコンテンツをどのように評価しているのか、その一端を理解できます。

01
複数のクエリバリエーション
AIは1回だけ検索するのではなく、関連する複数のクエリを使って情報を探索します。
02
スコアの累積
同じページが複数の検索結果に登場するほど、総合的な評価が高くなる可能性があります。
03
トピック全体への理解
特定のキーワードだけでなく、そのテーマを幅広くカバーしているコンテンツが評価されやすくなります。

トピッククラスターは、単なるコンテンツマーケティングの手法ではありません。RRFのようなランキング統合方式を前提に考えると、複数の関連クエリで評価されやすい構造を作るための合理的なアプローチだと言えます。

ChatGPTが現在、あるいは将来的にどの検索エンジンや検索システムを利用するのかを正確に予測することはできません。しかし、RRFという仕組みを見ることで、AI検索システムが複数のクエリ、ランキング、情報源をどのように組み合わせて関連性を判断しているのかを考えるヒントが得られます。

06

まとめ|RRFを理解してトピッククラスター設計に活かそう

AI検索が複数の検索クエリやシグナルを組み合わせる時代では、1つのキーワードだけで突出すること以上に、あるテーマ全体で継続的に検索結果へ露出することが重要になります。

RESEARCH NOTE

トピッククラスターは、単なるコンテンツ戦略ではありません。AI検索時代において、複数の関連クエリで継続的に評価されるための、非常に合理的なSEOアプローチだと言えるでしょう。

監修
嶋田誠一

嶋田誠一
株式会社アセントネットワークス SEO担当者。新規事業として比較系メディアを立ち上げ、SEO戦略のみで月間80万PVまで成長させた実績を武器に、SEOコンサルタントへ転身。現在は海外大手メーカーのSEOを担当し、2026年からはGEO・LLMO領域の実務にもいち早く着手。検索エンジンとAI検索を理解した戦略設計を強みとしています。

出典・参考

ChatGPT検索実装の公開コード確認、RRF(Reciprocal Rank Fusion)の一般的な計算方式に基づく分析(2026年9月時点)。